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長男病

長男という者は母親から見ると可愛い。文句なく可愛い。
例え、本人がオッサン面になったとしても、可愛い。

まあ、アタシは長女(人間)も次女(犬)もメチャ可愛いんであるが
長男も可愛いので、可愛がる人の気持ちはわかるつもりだ。
(でも、同じくらい、それぞれに可愛いので、アタシの場合、長男と長女に優劣はない)

ウチの婆さん(実母)も大の付く長男病である。
ちなみにその長男は50も半ばのオッサンだ。

過去には長男可愛さのあまり、長女(アタシは次女)をないがしろにした事件を起こし
長女はそれを忘れられず、ずっとこころの傷になっているほどだ。

長男可愛さはいろんなところで現れる。

例えば、実家に長男が来ると聞いたら、やれ長男の布団を干せだの
長男の車を家の駐車場に入れるために、家の車を遠い駐車場に止めて来いだのと
平気で命令する婆あなのである。

長男は完全なる客人で、娘たちは完全なる召使なのだ。

最近はこんなことがあった。

ちょっと前にアタシは悪性腫瘍疑惑があったわけだが
一応、お婆にも伝えてあった。

しかし、お婆の反応は鈍く「ふ~ん」という感じだったのだ。

そして、つい最近、今度は長男に悪性腫瘍疑惑があり
長男はポリープを取ったと自慢した。(結局、良性だったらしい)

まあ、お婆は心配する、心配する。

長男が先立ったらどうしようとでも思ったんだろう。

そんなこんななある日、ホームに呼ばれたアタシは小包を渡された。

ヤマト運輸が代送しているようで、どこかの自然食品の会社からの
小包のようだ。
ちゃんとお婆の部屋番号まで書いてある。

ホームの人が「注文しましたか?してない?ホームの住所を業者には伝えてない?
お嬢さんのウチに届くようにしている?じゃあ、やっぱり詐欺でしょうか?」とおっしゃる。

「開けないで、受け取り拒否をした方が?」
「いや、一応、開けて中身を確認してから、クレームを入れるべきでは?」
「このままではヤマトの電話番号しかないから、開けなければ仕方ないのでは?」

ホーム中で大騒ぎになった。
敵は婆さんだと思って、新種の詐欺だな?ということで皆の意見が一致したのだ。

とりあえず、中身を確認すると「シジミエキスのなんちゃら」だった(高額)。

お婆さんに一応、報告する。
「こんなの、届いたけど?」

婆さん、間髪入れずに答えた。
「あー!来た来た!!待っていたのよ!!」

は~?オマエが頼んだんかい!?

「だってお兄ちゃんに飲ませようと思って。大変だから!」と抜かした。

で、アタシはこの代金を銀行に行ってお金をおろして、そして支払いしないと
いけないわけね?
3時までにね?

そんなことは全く聞かず(面倒なことは誰かが自動的にやってくれると思っている)
「テレビを見てたら、お兄ちゃんにいいんじゃないかと思って、注文したのよ!」とおっしゃる。

お見事な腕前ですこと。

しばらくして、兄がホームに来たらしい。
シジミナンチャラには目もくれず、しっかりそのものを置いて帰りやがりましたとさ。

母のこころ、届かず。

こういう差別を当然のようにやっていくもんだから
娘たちとの折り合いは年々悪くなる一方だ。

全く何もしようとしないヤツが可愛くてたまらず

実際に世話をしている子をないがしろにする神経がまずわからない。

婆さんは言う。

「全員、平等にいたしました!!(怒)」

まったく始末におえない婆さんなのだ。














テーマ : 主婦の日常日記 - ジャンル : 日記

森山良子さんのコンサートに行って激疲れ(良子さんのせいではないです)

お婆さん(実母)を連れて、森山良子さんのコンサートに行ってきた。

コンサート自体は本当によかった。

良子さんはかわいくて、相変わらずの美声で、ユーモアがあって、お客を楽しませようと頑張ってくれて
ヒット曲もいっぱい聴けて、私の年代でも十分楽しめた。

ありがとう良子さん、ついサイン入りCD買っちゃったよ。

さて問題は婆さんである。

車椅子の移動って結構大変で、まず車に婆さんを乗せて、車椅子畳んで積んで、運転して
駐車場を確保して、車椅子降ろして、大きくして、そして婆さんを乗せて、運ぶ。
どこかに降りるたびに、その動作の繰り返しだ。言っておくが、車椅子は結構重いのだ。

もう、この時点でイライラ来るんだが
婆さんは自分ではスイスイ歩けるつもりなので、車椅子に乗ると同時に車のドアを閉めようとして
転倒なんていうことは、もう何回やっただろう。私は下敷きになって接骨院送りになったこともある。
ひどいときには車椅子を広げている最中に車内から降りようとして、転びそうになり、
私がアクロバット体勢で支えることもしばしばだ。

こういうジッとしていてくれないで、かえって手間暇をかけさすことばかりやるので
キレそうになるが、理性でこらえる。

車椅子を車に積むときには座席に座って待っていてもらうのであるが
シートベルトひとつ締めていない。
途中で怒られると思うのか、なが~くベルトを出しきってくださり(元に戻らないほどだ)
あたかも締めているかのようにしているときもある。
できるけれども、面倒なので、やらないのだ。

こういう出来ないことをやって、出来ることはやらないという摩訶不思議な現象が多々起こる。

車だけでも大変なんだが、自由自在に歩けると思っているので(迷惑をかけているとか、
どんだけ付き添いは大変かなどという経験が一切ないので、こっちの気持ちはわからないのだ)

車で移動中も軽く「ちょっと、あそこに寄ってちょうだい」と軽く言う。

そういうことを防ぐべく、ショッピングセンターでは「もう、どこかに行きたいところはない?」としつこく聞くが

「どこもないね(つまんないわ、こんなとこ)」と言う。

そして、口も乾かぬ帰り道「まだ老人ホームに帰るには早いから、100円ショップにでも行こうかしら」

だから、さっき言えよ!
つーか、帰るのが早いって、もう朝一からずっとあなた(の病院)に付き合って、夕方過ぎましたけど?

何でも思い付きで言えば願いが叶うとでも思っているかのようだ。

毎日、ホームの食事が「おいしくない!」と吐き捨てるように言うので
外食に連れて行くようにしているが、文句たらたらだ。(要はすごい偏食なのだ)

今夜もおなかを朝、壊した(間食のし過ぎだよ)というので、うどん屋さんをセレクトしたら
「(おいしそうなものが)何もないじゃない」と抜かされた。

出された天ぷらうどんを「残すのは悪いから、あなた、食べなさい」と言う。(私はおかげでうどん1食半)

ホームの食事でも「あー、おいしくない!」と吐き捨てた後に
「あなた、食べなさい」と必ず言うのだ。(夕食時に付き合うことが多々ある&そこまで食えない味じゃない)

「美味しいから、あなたもどうぞ」って発想はないんだな。

コンサートも楽しみなら「客席みんなで昔の歌を歌うコンサート」に行ってみる?と声をかけると

「嫌だぁ~」とおっしゃる。

そして「あなたが行きたいの?(なら、付いて行ってあげるわよ)」と必ず言うのだ。

このパターンで全ての会話が成り立っている。

昔からこういう人だったような気もするが、何を誘っても「嫌だぁ~」と吐き捨てるように言う人間に
母と言えども、何かしてあげる気がドンドン失せる。

ホームに居て、呆けばかりの中にいるから、自分が呆けそうだ!と訴えられるが
アンタもナン百回も同じ話をしていて、半ボケだよ!と心で毒づく。

やさしくしてあげたい私とできない私との綱引きになる。

最近は私自身が小さいときに母にやってもらった恩義よりも
私はこの人と離れたい一心で24歳になったばかりという若さで結婚したんだった。
この人は毒母だったんだなぁ、私、結構、可哀想だったんだなぁということばかりが
思い出せれて苦しいだけだ。

いつもホームから帰るときはエレベーターが閉まるまで母が見送ってくるのだが
扉が閉まる時の罪悪感と解放感の両方でこころが痛い。

癒しのコンサートに行って、こんなに疲れてるなんて、どうなんだろう。

母がこの地に来て5か月、早くもグッタリな私だ。

やばい評論家になり損ねた

テレビ、雑誌とそれを制作する人たちは常に人材を求めて
右往左往しているようだ。

アタシのところにすら、わりとよくテレビ局の人材斡旋会社や
雑誌社から人集めをお願いされる。

これこれこういうことに秀でている人や情報通はいませんか?みたいな感じだ。

まあ、アタシは「置屋の女将」を自称しているので
紹介稼業はいとわない方だ。

そんな中、このアテクシに出演依頼があった。

なんと「ホンマでっか!?」制作チームからである。

「やば~い評論家」たちが集まり「やば~い案件」に関して語るっつー番組だ。

その道の権威だろうが、なんだろうが大抵、色物扱いなので
メンタルが強くないとやっていけない仕事だと思う。

まあ、おもろいから行くか!?と思ったら(色物、歓迎なんか~い!?)

収録日が決まっていて、土曜なんだな。

それで翌々週、水曜オンエアという、結構タイトなスケジュールで動いているようだ。

でも、アタシは生憎、土曜は婆さんの付き添いで森山良子さんのコンサートに
マストで参加しなければならないのである。

じゃ、収録無理なら、事前打ち合わせだけでもやるべ!テレビ局行くべ!芸能人見るべ!と
張り切ったら、

「じゃ、いっす。どうぞ勝手に『森山直子さん』のコンサートに行ってください」ってなことで

評論家?デビューが露と消えたわけだ。

森山直子さん・・・。

そっか、そうだよね~。

母としては嬉しいような、なんなような感じかなぁ?

アタシとしては、なんか森山直子さんがツボにはまって笑ってしまった。

そんなこんなでデビューはお預け。(しかも、思ったがこんなにデブでは画面に入らない)

アタシは逆に今、個人的に売り込みたい女の子がいて

そっちに右往左往だが、いわゆるギョーカイって

そういう人材斡旋のテイストが色濃いんだなぁ・・・

結局、すべては人間関係だよなぁって思い至る。

人を紹介したり、されたりっていうのは考えてみれば

すごく贅沢なことで、ありがたいよなぁってそう思う。

アタシは未来はお見合い斡旋ばばあとして思い切りおせっかいに活動したい。

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母のマイブーム

なんやかやの大騒動の怒涛の日々を過ごし、婆さん(実母)は老人ホームに入居した。

つまりなんだ、これからは婆さんが死ぬまで、一番近場に居ることになったアタシが
金銭面、メンタル面、及び、細かな御用聞きを一手に引き受けることとなったのだ。

(今までは姉に押し付けていたのだが、早い話、姉がギブアップしたのだ)

アタシにとっては、子どもがほぼ独立したと思った瞬間に、婆さんが登場したことになる。
子どもが独立するまで20年。
婆さんが死ぬまでが多分20年。
同じ年月が流れるかもしれない。もう恐怖以外の何物でもない。

そんな中、発見があった。
老人特有なものなのか、うちの婆さんだけの問題なのか謎だが

別に呆け症状は見られないのであるが、ひとつのことに固執して
それをずっと言い続けるという趣味があるということを発見したのだ。

発見というよりも、前からある症状を再認識したと言った方が正しい。

そのマイブームを幾つか説明するとこんなことになる。

3月31日、消費税5%最終日。

婆さんはどうしても買い物がしたいらしく、それまでも尿漏れパッドを買い占めろだの
ミネラルウォーターのペットボトルを買い占めろだのとアタシに命令していた。
しかも、ドラッグストアの店名まで指定してくる。
そこが何処よりも安いと頭にインプットされたせいだ。

娘の家から、近場のドラッグストアを越えて、わざわざ行くというガソリン代のデメリットなんかは
知ったこっちゃないらしい。

まあ、日持ちするもので、かつ、確実に使用するものならと前もって買ったものもある。

その買い物リストの中にご指定の化粧品があった。
近くにその専門店がないため、聞こえない振りを貫いていたんだが
3月31日に「最終日なのに!」と文句を垂れ出したので、急きょ予定を調整し
車椅子を抱え、老婆もろともショッピングモールに行った。

婆さんはそのメーカーの割引カードを持っていたんだが、あいにくこの店舗では使えませんということで
定価で小さいものをゲットしてきた。

つまり消費税のことを考えずとも、割引で買えないのだから高づいた計算になる。
婆さん、とっても不機嫌になって文句を垂れていた。

そんな中、眼科に行きたいと言い張りだした。

目薬は以前に住んでいたところのかかりつけで一生分もらっている。
「あるじゃん?」と言うと、もう使っていないのだと言う。

その目薬も大騒ぎしてゲットしてきた代物なので「勝手にやめただとぉ?」とキレそうになる。
(そういう、ひとつひとつのことが姉の疲弊を生み、こういう顛末になっているのだ)

「ステロイド、勝手に使用を止めるなんて!?(呆)」と言えば、婆さんは

「この上下のまぶたが赤くなっているのはステロイドの副作用だ!だから、この赤みを看てもらうために
病院に行く!」と言い張る。

「はぁ?どっこも赤くありませんけど?それは目のくまでは?」と返事をすると

「夜にひどくなる!」と聞かなくなる。

一口に医者と言っても、車椅子の婆さんを連れて行くのは大仕事なのだ。
はっきり言えば、アタシが疲れで病気になりそうだ。
そんな重病でもなさそうな人をホイホイ連れてはいけませんけど?
(ホームには何でも科を兼ねた内科の先生は来てくれるのだ)

ところが、婆さん、奥の手を使ってきやがった。

ホームの施設長から電話があった。

「お母様がまぶたの赤みをあまりに訴えられるので、病院に連れて行ってください(怒)」

4時間待ちの診察で「何ともなくてよかったですね~」と言われて、疲労感一杯なのはアタシである。

やれやれ、目が一段落したわいとホッとしたのも束の間。

今度は別のメーカーの化粧品が欲しいので(割引カードが使えなかった恨みで
そこはもう使わないらしい)連れて行って買え!と抜かしてらっしゃる。

「だって、こんなに皺があって!鏡を見たらギョッとして!」と訴える。

それは、もう80過ぎてるんだから、仕方なくね?と思うのだが

多分、周りの入居者の誰かと比べて、負けた感を持っちゃったのが理由なんだろう。

「あの人(入居している90代の婆さん)たち、皺とかないじゃない?」って言うから
そんなこったろう。

美容好きで、小奇麗だったマダムならわかるが、まったく真逆なので
単に今のマイブームが「美容」なだけだ。

母がホームに入って4か月しか経っていない今日。

アタシはアタシ自身を鏡で見て、驚いた。

アタシの眉間にふっかい縦皺が、少なくとも、年明けにはなかった皺が刻まれている!!

婆さんはそのブランド品を我が手に取るまで言い続けるだろう。

アタシはもう数年でアタシ自身がボロボロになるような予感がしている。

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今夜はあまりに切なくて

アタシはユーミン教の教徒なので、その影響を多分に受けての

山本潤子さんのファンだ。

この人、歌の上手さもそうだけど、1/fゆらぎ (えふぶんのいちゆらぎ)でも
トップクラスに入ると思うシンガーだ。

その潤子さんのライブが地元で開かれるというので、楽しみにしていた。

チケットを取ってから数か月、3月の半ば過ぎだったと思うが

突然、このツアーをもっての無期限休業が発表された。高音が出ないのだという。

「ええーー?当分、聴けないのか?そういえば、小田さんの恒例クリスマス番組にも

出てなかったもんなぁ・・・。そんな調子悪いのかぁ」と残念がっていたアタシだ。

ところが、この3月28日の旦那さま、山本俊彦さんの突然の訃報。

ええーーー???

誰が見たって、相思相愛はもちろんだろうけど、なんつーか一心同体みたいな存在なふたりだし

「俊さん、俊さん」だから、想像だけど、潤子さんは多分に「依存妻」だったんじゃないかな?って

思っていたんだよね。

ライブは4月5日だから、まだ1週間しか経っていない計算だ。

こりゃ、中止やむなしだわ。無理ないよ。

って思ったアタシだけれど、そこはプロなんだなぁ。

ツアー、続行。

「俊さんもやりきれって言っていると思うから、笑顔でやりたい」ってMCで言っていらした。

潤子さんがユーミンのDESTNYを歌うときに

「この世界から、俊さんが消えて、そのタイミングで自分も(喉の調子が原因で)消えていくのは

運命なのかなぁ」っていうようなことをおっしゃる。

「卒業写真」と「最後の春休み」をアンコールで歌ってくれたんだけど

「もう、皆さんも十分、お気づきのとおり声が出なくて・・・一緒に歌ってください。

(自分と)一緒に歌ったってことを思い出にしてください」って言葉に会場は涙声のハーモニーだった。

構成は潤子さんがセレクトした「歌い継いでもらいたい曲特集」みたいな感じだったんだけど

映画「黒いオルフェ」の挿入歌「カーニバルの朝」がとっても沁みた。

誰もがどこかで聞いたことのある神話(竪琴の名手が愛する妻を失い、黄泉の国に妻を探しに行き

その門前で琴を奏でると、涙を流した黄泉の国の神から妻を返してもらえることになったのだが

この世に戻ってくるまで、決して後ろを振り返って妻を確認してはいけないとの約束を守りきれず

振り返ってしまう。その瞬間に妻は霧と化してしまうって話)

を基にした映画らしいんだけど、突然、失った旦那さまにその歌声で戻って来てと

語りかけているようでもあり、曲の切なさが一層、増す。

「みなさん、どうかどうかお元気で」と何度も何度も言ってくれる潤子さん。

アタシたちファンは気長に潤子さんが再び笑顔でステージに立てる日を待とう。

アタシはもうすぐ結婚記念日を迎え、ダンナとは、もう34年くらいの付き合いになるが

ふたりでライブに出かけるのも、当たり前だけど、有限なんだなぁと

しみじみしてしまう夜になった。

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